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深層強化学習法による超音波モータの最適制御システムの開発に成功:Abdullah MUSTAFA(D3)、笹村樹生(D1)、森田教授ら

2022年5月17日 icon
1.発表者:
アブドラ ムスタファ(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 博士課程3年)
笹村 樹生(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 博士課程1年)
森田  剛(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 教授:研究当時/大学院工学系研究科 精密工学専攻 教授:現在)

2.発表のポイント:
◆ 高速応答性、高トルクという特性から触覚提示デバイス等への応用が期待される超音波モータの制御システムを、深層強化学習法を用いて開発することに成功しました。
◆ これまで、温度変化や超音波モータの強い非線形特性によって制御困難性がありましたが、深層強化学習法を導入することで、超音波モータの優れた基本特性を発揮させることができるようになりました。
◆ 超音波モータを最適制御することが可能になったことで、手術ロボティックスや触覚提示システムなど、遠隔手術などでの仮想空間提示デバイスに応用できると期待されます。

3.発表概要:
東京大学 大学院新領域創成科学研究科(研究当時/現在:大学院工学系研究科 精密工学専攻)の森田 剛教授と東京大学 大学院新領域創成科学研究科のアブドラ ムスタファ氏、笹村樹生氏は、深層強化学習法の導入により超音波モータを最適駆動する制御システムの開発に成功しました。
超音波モータは一般的な電磁モータとは異なり、超音波振動を利用してロータを摩擦駆動する原理で、重量当たりのトルクが大きく、小型化が可能で、高速応答性に優れているという特長を持っています。しかし、これらの優れた機能にもかかわらず、入力電圧信号に対する回転出力の関係に強い非線形性やヒステリシスがあること、さらに温度上昇に伴うパラメータ変化があることなどから、制御が難しいという本質的な問題がありました。
本研究により、温度変化や外乱に対して高い柔軟性を持った優れた速度制御性を実現することができるようになり、例えば遠隔手術等での距離の離れた患者と術者をつなぐ力覚提示デバイスや手術ロボットへと応用が期待できます。また、本手法は速度制御だけではなく、トルク制御、位置制御、コンプライアンス制御、効率最適化などが可能です。
<研究室ウェブサイト(研究紹介)>http://www.usdev.t.u-tokyo.ac.jp/contents/research.html

4.発表雑誌:
雑誌名:IEEE Access (2022年4月28日付)
論文タイトル:
Robust speed control of ultrasonic motors based on Deep Reinforcement learning of a Lyapunov function
著者: Abdullah MUSTAFA*, Tatsuki SASAMURA and Takeshi MORITA
DOI番号:10.1109/ACCESS.2022.3170995
アブストラクトURL:https://doi.org/10.1109/ACCESS.2022.3170995


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