2012年度 工学部精密工学科 卒業論文テーマ

注意事項

受入教員一覧


受入教員別テーマ一覧

淺間 一 教授 テーマ一覧(下記5テーマの中から選択)
テーマ 1.人共存環境下で動作するサービスロボットのための人の行動モデリング 2.情動に基づく自律神経系の活動に注目した不満足の生理学的測定と評価 3.ヒトの身体モデルに基づくリハビリ支援手法の開発 4.ヒューマンロボットインタラクションを考慮した移動ロボットの制御に関する研究 5.意志作用感に基づく能動的ヒューマンインタフェースの開発
狙い 人と共存する環境で,サービスロボットを適応的に動作させるには,人の行動を予測することが必要となる.そこで,その予測を行う際に必要となる,人の意図も含めた,行動のモデリングを行う.
環境情報を入手・管理するとともに,人の動きを計測・予測しながら,人との衝突の可能性を実時間で評価する必要があります.そのための技術開発を行います.
 サービス受容者の満足や不満足は,これまでアンケートなど,主観的な指標の評価しか行われてこなかった.一方,不満足は,情動的な機能に影響を及ぼすので,自律神経系の活動の変化として計測することができると考えられる.そこで,様々な生理指標を計測することで,不満足度を客観的に推測する手法を構築する.  高齢者は,身体的な衰えから,起立動作が困難になることが知られている.また,近年,膝関節症などの疾病も問題となっている.そこで,ヒトの下肢の筋骨格系のモデルを構築すると共に,それに基づくリハビリ支援手法を構築する.  人との共存環境下で,実時間で人の行動を計測しながら,その動きを予測しつつ,人と衝突しないような動作を生成し,実行できるような移動ロボットを構築する.また,その際に,ロボットと人間との間でいかなるインタラクションが行われるかのモデル化を行う.
 人が自分の意志で何かを能動的に動かそうとする際に感じる自分で動かしている感覚を意志作用感と呼ぶ.ロボットなどの人工物を遠隔操作する際,時間遅れが大きくなると,意志作用感が減少し,操作における認知機能や操作性が低下する.その特性を実験によって明らかにするとともに,その知見に基づいたヒューマンインタフェースの提案を行う.
内容 他の人も含む環境内で,人がどのような意図を持ちながら,2次元平面内を移動するかをモデル化し,シミュレータを構築する.また様々な状況で人がどのように移動するかを,レーザレンジセンサ等を用いて計測しながら,その評価を行う.  仮想環境を用いた情報提示・操作などを被験者に行わせながら,そのサービスに対し,発汗,筋電,眼球運動,心拍などがどのように変化するかを計測,分析することによって,不満足度を客観的・定量的に推定する手法を,認知実験などを通して行う.  医学部との共同研究により,ヒトの下肢の筋骨格系の精密なモデルを構築すると共に,コンピュータ上にシミュレータを構築する.身体的属性変化がどのような動作や負荷における問題を発生するかを分析しながら,それを予防,あるいはリハビリするために,いかなる手段が考えられるかを検討する.
 人の歩行モデルに基づく,ヒューマンロボットインタラクションシミュレータを開発する.それを用いて,人共存環境で動作するロボットの動作生成・制御手法を開発するとともに,実際の移動ロボット上に実装し,その有効性を検証する.  意志作用感の特性を,仮想環境を用いた認知実験によって明らかにする.その知見に基づき,インターネットや無線LANなど,通信系を介してロボットを遠隔操作する際の,使いやすいインタフェースを設計・構築し,その有効性を実験によって検証する.
場所(予定) 本郷工学部14号館821号室もしくは1022号室 本郷工学部14号館821号室もしくは1022号室 本郷工学部14号館821号室もしくは1022号室 本郷工学部14号館821号室もしくは1022号室 本郷工学部14号館821号室もしくは1022号室
計画 4〜5月:関連研究調査 4〜5月:関連研究調査 4〜5月:関連研究調査 4〜5月:関連研究調査 4〜5月:関連研究調査
6〜7月:モデル化手法の設計 6〜7月:生理状態計測システムの開発を用いた認知実験および解析 6〜7月:下肢の筋骨格系のモデル化手法の検討 6〜7月:人の動作モデルおよびシミュレータの構築 6〜7月:意志作用感の特性を明らかにするための認知実験,分析
9月〜11月:システムの構築 9月〜11月:不満度評価手法の開発 9月〜11月:筋骨格モデルの構築 9月〜11月:人共存環境におけるロボット動作生成手法の構築,ロボットへの実装 9月〜11月:ヒューマンインタフェース設計・構築
12月〜2月:実験および評価,論文作成 12月〜2月:評価,論文作成 12月〜2月:実験および評価,論文作成 12月〜2月:実験および評価,論文作成 12月〜2月:実験および評価,論文作成
WEB http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/asamalab http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/asamalab http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/asamalab http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/asamalab http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/asamalab

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太田 順 教授 テーマ一覧
テーマ 1.群知能ロボット・マルチエージェントによる協調作業 2.人間制御メカニズムの理解と支援
狙い 生物は互いに様々な形で協力しあいながら日々の仕事をこなしている.複雑な仕事を時には協調して対処し,時には互いの仕事を邪魔しないよう分担している.本研究室では,このような柔軟な協調のメカニズムをロボット等のエージェント群によって実現することを目指している.群知能ロボット,マルチエージェント群による協調作業実現法を提案し,シミュレーションまたは実機実装を目指す.(テーマ内容についてより詳細を知りたい人は太田までメール下さい.本郷で説明することも可能です.) 「立っている(起立している)」という単純な状態であっても,人間は視覚,平衡感覚,体性感覚等の多様な情報をうまく統合,制御することで,それを保持している.しかしながら,その際に人間がどのように情報を統合し,どのような制御により起立状態を実現しているかは未だきちんとはわかっていない.ここでは,人間が情報統合により起立状態を保つメカニズムの解明と,それに関わる疾患のリハビリテーションや支援方策の提案を目指す(テーマ内容についてより詳細を知りたい人は太田までメール下さい.本郷で説明することも可能です.)
内容 当該テーマは,問題設定,アルゴリズムの概念設計,アルゴリズムの実装,シミュレーション,実機実験,評価,という構成により研究を進める.このテーマの実現により,人工知能技術,プログラミング技術,実機実装技術,問題解決手法の獲得を目指す.指導には教員1名,および学生1名があたる. 具体的な実験条件の選定,非浸襲計測装置の準備,計測アルゴリズムの構築,計測と評価,その結果に基づくアルゴリズムの改良,再実験,というプロセスを踏む.このテーマの実現により,センサ処理技術,プログラミング技術,脳神経科学,問題解決手法の獲得を目指す.指導には教員1〜2名および学生1名があたる.
場所(予定) 柏キャンパス総合研究棟5階561号室(予定) 柏キャンパス総合研究棟5階534A号室(予定)
計画 4〜5月:問題設定およびプログラミング環境の理解,アルゴリズムの提案 4月〜5月 問題設定.システム構成.計測および認識手法に関する理解
6〜7月:提案アルゴリズムの実装.計算機,実機による評価. 6月〜7月 システムの実装と基礎実験.データ集計.
9月〜12月:問題点の抽出と新たなアルゴリズム開発,実装. 9月〜12月 プログラムの再実装.議論.
1月〜2月:追加シミュレーション・実験,評価,とりまとめ. 1月〜2月:システムの再構成.実験.まとめ.
WEB 関連している研究の動画とpdf 関連している研究の動画とpdf
http://www.race.u-tokyo.ac.jp/otalab/research/intro11/movie/Org-Avi/Liu_Grasping of Unknown Objects.avi http://www.race.u-tokyo.ac.jp/otalab/research/intro11/movie/Org-Avi/Ogawa-Inhibiting the vestibular sense by a caloric test.avi
http://www.race.u-tokyo.ac.jp/otalab/research/intro11/movie/Org-Avi/Liu_Object manipulation system.avi

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大竹 豊 准教授 テーマ一覧
テーマ 1.回転レントゲン画像列から形状を認識する研究 2. 細い・薄い物体の表面スキャン点群データから形状モデルを構築する研究
狙い X線CTスキャナーは,物体を回転させながら連続するX線投影像(レントゲン画像列)を撮像した後,計算処理により物体の断面画像を再構成するために使われます.しかし,密度の高い金属などはX線がよく透過しないため断面再構成がうまくいかず,CT技術の産業応用において大きな問題となっています.通常,この問題はX線量を補正することである程度解決することができ,これまで数多くの研究がされていますが,補正の正しさには限界があります.
  本研究では,対象を産業応用に限定し,既存の研究と全く異なるアプローチにより3次元形状を得ることを試みます。具体的には,CTスキャナー装置から得られる回転レントゲン画像列に対して「Computed Tomography しない」で直接的に形状を得るための新しい計算手法を研究開発します。
近年、3次元物体の表面形状計測の普及に伴い,デジタルコンテンツやエンジニアリング等のアプリケーションにおいて,実物指向のモデリングが一般的になりつつあります.計測データである点群から物体の表面を曲面として再構築する方法は,点群面張りとよばれ,その需要の高さゆえに多くの研究が成されてきています.従来手法では,3次元物体の表面は数学的に閉じた曲面である事実に基づき,スキャン点群から穴のない多面体近似を計算します.ところが,たとえば紙や針金など体積がほとんどない物体をスキャンしモデル構築を行おうとした場合には,非常に細かい入力データが必要となり,現実的ではありません.
 本研究では,薄いもの・細いものをスキャンして得られた点群から効率的に形状モデルを構築する新しい計算手法を研究開発します。
内容 画像処理技術を基にして,回転レントゲン画像列を入力とした計算を行っていきます.また,近年コンピュータグラフィクスの分野で発達している動画処理技術なども参考にしていきます.データの取得には,主に鈴木研究室のマイクロCTスキャナを使います.この研究は,問題を切り分けて修士課程の学生とペアで行ってもらうことを予定しています。
 研究の遂行に必要なツールである,画像データおよび3Dデータを扱うためのプログラミングと数理技術は,少人数への講義+課題形式にて習得できます.なお、このプロジェクトは鈴木研究室と連携して行います.
基本的なスキャンデータ処理技術から始めて,新しい手法の開発を行っていきます.わずかな厚み・太さをもつ物体の厚さ・太さをゼロとみなして,一枚面・一本線として近似する手法です.また,データの取得には,鈴木・大竹研究室のレーザースキャナを使います.
 研究の遂行に必要なツールである,点群などの3Dデータを扱うためのプログラミングと数理技術は,少人数への講義+課題形式にて習得できます.なお、このプロジェクトは鈴木研究室と連携して行います.
場所(予定) 駒場第2キャンパス先端研4号館3階303号室 及び 本郷キャンパス工学部14号館9階926号室 駒場第2キャンパス先端研4号館3階303号室 及び 本郷キャンパス工学部14号館9階926号室
計画 4〜5月:プログラミングと画像・形状処理の基礎の学習. 4〜5月:プログラミングと画像・形状処理の基礎の学習.
6〜7月:先行研究調査およびプロトタイプによる検証.初期プレゼンテーション. 6〜7月:先行研究調査およびプロトタイプによる検証.初期プレゼンテーション.
9月〜12月:アルゴリズムの開発・実験および評価.中間プレゼンテーション. 9月〜12月:アルゴリズムの開発・実験および評価.中間プレゼンテーション.
1月〜2月:実験.論文執筆.最終プレゼンテーション. 3月:希望により精密工学会で発表 1月〜2月:実験.論文執筆.最終プレゼンテーション. 3月:希望により精密工学会で発表
WEB 担当教員のHP:http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/~yu-ohtake/ 担当教員のHP:http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/~yu-ohtake/
卒論のHP:http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/~yu-ohtake/theses/b12.html 卒論のHP:http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/~yu-ohtake/theses/b12.html

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国枝 正典 教授 テーマ一覧
テーマ 静電誘導給電法による超微細放電加工の研究 電解液ジェット加工の研究
狙い  従来の微細放電加工の微細化限界を拡げるために、新しい原理に基づくパルス放電電源が本研究室で開発された。本方法は高速回転するスピンドルに非接触で給電できるので、微細化限界を拡げるだけではなく、一般の放電加工において加工速度や加工精度の向上に効果があると考えられる。そこで、大きな放電エネルギーも非接触で給電ができるような開発研究を行う。  微細な電解液ジェットを通して電流を供給し、ジェットの直下だけを選択的にマスクレスで電解加工する方法についての研究。本研究室で開発された本加工法は、深さの微細な穴や溝の加工に応用されてきたが、深穴・深溝加工や厚板の切断には応用が困難であると考えられてきた。しかし、最近になって、加工変質層が生じない、バリが生じない、工具電極の消耗がない、微細加工が可能であるなどの特徴に注目し、厚板の切断への応用が期待されている。そこで、加工速度が遅い、ダレが生じやすいという問題点を解決し、実用化されることを目標とする。
内容  原理はすでに考案され、大きな放電エネルギーの下での加工が非接触給電で可能であることは基礎研究によって実証されている。そこで、本年度は本方法の実用化を目指し、加工実験を行い加工特性を調べるとともに、放電回路や加工装置の制御回路の改良を行う。次に、5万rpmで回転するスピンドルに本装置を用いて給電を行い、部品加工に実際に使用されているような放電エネルギーの下での微細深穴加工を試みる。  新しい加工装置の製作が完了したので、その装置を用いて加工実験を行う。その際、電解液ジェットの流れ場の最適化が加工精度や加工速度に大きな影響を及ぼすと考えられるので、電解液の流れを制御するためのアシストガスを供給する装置を設計製作する。また、電解液ジェットの流体解析と、電解液中の電位分布、工作物上の電流密度分布をシミュレーションし、加工結果と比較する。その結果に基づき、装置や加工条件の最適化を行い、切断加工の加工精度と加工速度の向上を図る。
場所(予定) 本郷キャンパス工学部14号館 本郷キャンパス工学部14号館
計画 4〜6月:放電回路の改良と電極送り制御装置の製作 4〜5月:装置の立ち上げと加工実験
7〜9月:加工実験と中間発表 6〜9月:アシストガス供給装置の設計製作と中間発表
10月〜12月:高速スピンドルを用いた放電加工の試み 10月〜12月:流体解析と加工シミュレーションに基づく装置の改良
1月〜2月:補足実験、論文執筆と最終プレゼンテーション 1月〜2月:補足実験、論文執筆と最終プレゼンテーション
WEB http://www.edm.t.u-tokyo.ac.jp/ http://www.edm.t.u-tokyo.ac.jp/

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小谷 潔 准教授 テーマ一覧
テーマ 近赤外光脳機能計測装置による脳機能評価の最適戦略 外部刺激による自律神経応答評価とヘルスケア応用
狙い 近年,非侵襲な脳機能計測装置として,近赤外光を用いて脳内の酸素の流れを評価する機器(NIRS)が注目されており,研究や診断に使用されつつあります.NIRSは(他装置と比べて)身体への拘束が少ないという利点があるのですが,得られた結果の解釈が難しく,その点を解決することで幅広い用途に応用可能となると考えられます.本研究ではNIRS信号を体全体の血液の流れや脳波信号と比較・参照することで,短時間・高精度な検査方法の構築を目指します. 自律神経は体の各臓器を制御して最適な活動を促し,健康の維持に重要な役割を果たしています.本研究では,ヒトの循環器(心臓,血管など)の信号を計測・解析することで,血液の流れがどのように制御されているのかを知り,かつその時の自律神経活動を評価します.そして,外部刺激による応答の評価を行い,高血圧症の予防やヒューマンインタフェースへの応用を目指します.
内容 脳の様々な活動に応じて脳内の代謝状況が変わり,その状態を近赤外光の散乱・吸収特性変化によって評価することが可能です.ここでは,1.全体の血液循環とのバランス,2.脳神経細胞のスパイクを反映した脳波との関係,を考慮することで,NIRS信号から脳内で起きていることを推定する技術を構築します.複雑な脳-循環器の相互作用が影響しますので,数理モデルを構築して活動状態を予測し,実験によって妥当性の検証を行います. 心電図,血圧,呼吸,超音波などの装置によって循環器の信号を計測し, 自律神経活動を正確に評価する手法を構築します.さらに,手法をリアルタイム化することで,映像・匂いなどの外部刺激による自律神経の応答を正確に把握して循環器制御メカニズムを解明することを目指します.そして,得られた知見をもとにQOL向上,予防医学,デスクワーク支援,などへの応用を検討します.
場所(予定) 柏キャンパス環境棟(予定) 柏キャンパス環境棟(予定)
計画 4〜5月:数理システムの理解,先行研究の理解,文献調査
6〜7月:シミュレーション技術の習得,実験手法の習得,基礎実験
9月〜12月: 基礎実験とモデルシミュレーションの比較
1月〜2月:評価,考察,まとめ.
4〜5月:数理システムの理解,先行研究の理解,文献調査
6〜7月:信号処理,プログラム技術の習得
9月〜12月: 試作機および信号処理プログラム作成・評価実験
1月〜2月:評価実験,考察,まとめ.
WEB http://neuron.k.u-tokyo.ac.jp/?Research http://neuron.k.u-tokyo.ac.jp/?Research

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小林 英津子 准教授 テーマ一覧
テーマ 1.低侵襲外科手術支援用多自由度鉗子デバイスの研究 2.肺がん手術用触診デバイスの研究
狙い 患者への侵襲を極力軽減するための低侵襲手術の一つとして内視鏡下手術が広く行われるようになってきました。しかしながら、本術法は体内の観察領域や術具の駆動自由度に制限があるため、医師の熟練を要し負担となっています。この問題に対し工学的に支援すべく、本研究室では内視鏡下手術支援ロボットシステムの研究開発を行ってきました。本プロジェクトにおいては、その中でも特に小型の多自由度鉗子及びその先端多機能デバイス開発を行っています. 肺がんにたいする外科治療では,肺の破裂を防ぐ目的で片肺換気とし治療を行います.その際,肺は縮み術前とは形状が大きく異なるため,術中に腫瘍部位の特定が必要となります.従来は術者は直接肺を触診することにより,位置の特定を行いますが,低侵襲手術では直接患部に触れることが出来ないため,「手」に変わる腫瘍位置同定デバイスが必要となります.本研究では,患者への低侵襲肺がん手術に対して,術中に腫瘍を特定するため,力センサを用いた触診デバイスの開発研究を行っています.
内容 内視鏡画像を元に多自由度屈曲鉗子を制御するための手法についての研究を行います.画像処理プログラミング,ロボット制御技術を学習しながら研究を進めます.ファントムや摘出臓器に対する評価を行い、提案手法の有用性を評価します。 本研究は,低侵襲で,腫瘍位置を同定するための,力センサを用いた触診デバイスの製作,装置の制御法の検討を行い,ファントム用い評価実験を行います.
場所(予定) 本郷キャンパス工学部14号館7階722号室 本郷キャンパス工学部14号館7階722号室
計画 4〜5月:関連する文献・先行研究の調査 4〜5月:関連する文献・先行研究の調査
6〜7月:鉗子位置姿勢計測法の検討 6〜7月:ハードウエアの設計及び製作
9月〜11月:実験装置製作,プログラミング 9月〜12月:ハードウエアの製作及び実験データの収集
12月〜2月:実験.評価.とりまとめ. 1月〜2月:評価、とりまとめ
WEB http://www.bmpe.t.u-tokyo.ac.jp/ http://www.bmpe.t.u-tokyo.ac.jp/

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佐久間 一郎 教授 テーマ一覧
テーマ 1.低侵襲精密治療支援システムに関する研究 2.心臓不整脈の計測と制御に関する研究
狙い 内視鏡手術マニピュレータ(ロボット),位置決め装置を有する集束超音波治療システム,レーザ治療システムを,内視鏡画像,術中超音波画像,術中生理機能計測信号などの術中情報を処理することにより,高度な精密治療支援システムを構築すための,要素技術に関する研究を行う.研究は\東京大学医学部附属病院,東京女子医大先端工学外科と共同で開発することを目指している.指導には教員1名があたる.大学院生や博士研究員数名と協力して研究を行う.  心臓突然死の原因の一つであ旋回性の興奮伝播現象(spiral reentry)を蛍光色素と高速度カメラを用いて計測し,電気刺激制御をおこなうことでスパイラルリエントリダイナミクスを制御することを試みる。本研究は名古屋大学環境医学研究所との共同研究である.あるいは関連する技術を心臓外科分野にo応用する研究を行う.大学院生や博士研究員数名と協力して研究を行う.
内容 治療に必要となる情報を計測する術中計測機器の試作あるいは術中に計測された画像情報処理による低侵襲手術機器の出力制御,位置決め制御に関するソフトウェア試作に関する研究を行う.いずれにせよソフトウェア・ハードウェア両者に取り組ませる.  ハードウェア・ソフトウェア試作を伴う、高速度カメラを用いた画像計測・処理システムの設計と製作を実施する,.心臓外科分野への応用の場合は,電気生理計測にもとづく手術支援システムの開発が主となる.実験動物を用いた検討は共同研究先で実施する。
場所(予定) 本郷キャンパス工学部14号館722号室,727室 本郷キャンパス工学部14号館722号室,1134号室
計画 4〜5月:文献調査、実験装置の理解,臨床研究も含む基礎検討 4〜5月:文献調査、ハードウェア並びにプログラミング環境の理解,これまで試作されたシステムの理解.
6〜7月:基礎実験とそれに基づく設計 6〜7月:予備的な実験の実施
9月〜12月:手術用顕微鏡システムの製作,基礎的な性能評価 9月〜12月:装置の試作・制御ソフトウェアの
1月〜2月:総合実験.評価.とりまとめ. 1月〜2月:実験.評価.とりまとめ.
WEB http://www.bmpe.t.u-tokyo.ac.jp/research/research.html http://www.bmpe.t.u-tokyo.ac.jp/research/research.html
参考文献:1) Liao, H, Noguchi, M, Maruyama, T, Muragaki, Y, Kobayashi, E, Iseki, H, Sakuma, I: An Integrated Diagnosis and Therapeutic System using Intra-operative 5-Aminolevulinic-Acid-Induced Fluorescence Guided Robotic Laser Ablation for Precision Neurosurgery, Medical Image Analysis, 2010 in press 参考文献:1)荒船龍彦,佐久間一郎ほか:高空間時間分解能の心筋通電刺激誘発Virtual Electrode現象光学マッピングシステム、生体医工学、41(4)、314-320,2003
2)佐久間一郎: 低侵襲手術と精密工学の今後,精密工学会誌,74(11),1135,2008 2) Kim, H, de Lange, P, Ando, T, Joung, S, Taniguchi, K, Liao, H, kyo, S, Ono, M, Takamoto, S, Kobayashi, E, Sakuma, I: Image-based electrode array tracking for epicardial electrophysiological mapping in minimally invasive arrhythmia surgery, INTERNATIONAL JOURNAL OF COMPUTER ASSISTED RADIOLOGY AND SURGERY, 6(1), 83, 2011

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佐々木 健 教授 テーマ一覧
テーマ 1.静止立位姿勢制御の制御モデルに関する研究 2.タッチパッドの水平振動による摩擦感の制御に関する研究
狙い 人は静止して立っている時でも前後左右に揺らいでいる.揺らぎの大きさは年齢とともに増加し,老化の指標の1つとなっている.一般的には両足の荷重分布から荷重中心を求め,その軌跡を評価することが行われている.荷重中心と人体の重心の床面への投影位置はずれており,このずれが姿勢を保つ復元トルクとなっている.立っている人体は倒立振子(1重または2重)としてモデル化でき,人体の姿勢制御の制御則を知ることできれば,立位姿勢を保つ運動機能をより多面的に評価ができるようになる.しかし,傾き角や傾き角速度を検出している視覚や三半規管などの感覚器官の出力は観測することができないので,感覚器の出力から足腰の筋肉へ指令を出している制御則は荷重中心や人体の姿勢等の観測値から推測するしか手段がない.本研究では観測値から制御則を推定し,動力学シミュレーションと観測値を比較することによりこれを検証する. タッチパッドは今日の情報機器の重要なインタフェースの1つである.その機能に多様性を付与する手段として触覚を提示することが試みられている.例えば,アイコンをタッチする際に振動を与え,あたかも機械的なスイッチ操作したかのような操作感を創出する方式が試作されている.これらの方式はタッチパッドに垂直な方向の振動であるが,本研究では水平振動により,タッチパッドをなぞる時の摩擦感に違いを生じさせる手法を開発する.これまでの研究で非対称な三角波のような振動を与えると操作感に方向性が生じる条件があることが分かっている.しかし,どのような振動や接触状態の変化が摩擦感の違いに寄与しているのかは十分に解明されていない.振動面と指の皮膚の変位を計測することにより,滑りいや密着の変化や振動を計測し,振動と触感の関係を調べることにより,摩擦感の違いを創出する振動波形の設計に結びつけることが本研究の目標であり.
内容 人体の姿勢制御が線形制御でないことは直感的に予想でき,多くの文献においても姿勢制御の非線形性が報告されている.しかし,どのような非線形性なのか,ということに関する知見は未だ確立していない.本研究では既存の研究成果や生理学の知見に学び,人体の立位姿勢制御における新しい制御モデルを推定する.卒業研究においては立位における荷重中心,姿勢,角速度,等の計測を行い,動力学モデルに基づく数値シミュレーションにより,推定した制御モデルを検証する. 板を水平に振動させる装置と,振動板および指先の皮膚の運動を計測する高速度カメラで構成する実験装置を用いる.板の振動は信号処理用マイクロプロセッサ(DSP)を用いて任意の波形の振動を制御し,その振動板を指先でなぞる動作を行い,触感を評価する.皮膚の変位は高速度カメラの画像解析によって指紋の運動を抽出する.振動と触感の関係を分析することが研究の中心となる.
場所(予定) 柏キャンパス環境棟2F 柏キャンパス環境棟2F
計画 4〜5月:関連研究の文献調査および力学・制御工学の復習 4〜5月:関連研究の文献調査.昨年度の装置を用いた追試.
6〜7月:計測システムの構築 6〜7月:実験計画立案,装置の改良設計と製作.
9月〜11月:計測実験および動力学シミュレーション 9月〜11月:実験と解析.
12月〜1月:総合実験,研究のまとめ 11月〜1月:総合評価,研究のまとめ
WEB http://www.ems.k.u-tokyo.ac.jp/H22_sasaki http://www.ems.k.u-tokyo.ac.jp/H22_sasaki

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神保 泰彦 教授 テーマ一覧
テーマ 1.分化誘導細胞による神経回路形成 2.迷走神経電気刺激療法の作用機構
狙い 様々な組織に分化する能力を持つ細胞を利用して治療を行う「再生医療」が注目を集めています.本研究では脳神経系の再生医療実現に向けて,分化誘導操作を施した細胞群を本来の生体由来組織の細胞群と人工環境下で結合させる試みを行います.両組織間で双方向の信号伝達が起こる条件を見出すことを目標に研究を進めます. 難治性てんかんに対する治療法として,迷走神経電気刺激療法が有効であることが経験的に知られていますが,その作用機構はわかっていません.本研究では迷走神経系が中枢に結合する経路をin vitro系に再構成し,電気刺激の効果を調べます.セロトニンとノルアドレナリンの作用の重畳に焦点を当てて実験と解析を進めます.
内容 *2つの細胞培養チャンバとマイクロ電極を集積化した基板を製作します.
*この基板上で神経細胞への分化誘導操作を施した幹細胞とネズミの脳から取り出したニューロン一緒に培養します.
*分化誘導細胞側で発生した活動がネズミの脳由来の細胞群に伝わるか,逆方向の信号伝搬は見られるかという観点から電気信号と細胞内Caイオン濃度変化の計測を行います.
*3つの細胞培養チャンバとマイクロ電極を集積化した基板を製作します.
*この基板上でネズミの脳幹から取り出したセロトニン,ノルアドレナリン作動性神経細胞と,大脳皮質神経細胞を一緒に培養します.
*脳幹神経細胞の自発的な活動,さらに電気刺激により誘発される活動に対する海馬神経細胞群の活動が変化する様子を観測し,迷走神経電気刺激療法の作用機構につき考察します.
場所(予定) 柏キャンパス環境棟3F335号室 柏キャンパス環境棟3F335号室
計画 4〜5月:マイクロ加工技術と細胞培養操作を習得します. 4〜5月:マイクロ加工技術と細胞培養操作を習得します.
6〜7月:神経回路活動の計測,データ解析手法を習得します. 6〜7月:脳幹神経細胞の自発活動について,電気・細胞内Caイオン濃度計測データを収集します.
8月〜12月:集積化電極基板上で共培養した細胞群の活動計測を行ないます. 8月〜12月:脳幹神経細胞を電気刺激し,大脳皮質神経細胞群の活動変化を観測・解析します.
1月〜2月:測定データをまとめ,プレゼンテーションの練習をします. 1月〜2月:測定データをまとめ,プレゼンテーションの練習をします.
WEB http://neuron.k.u-tokyo.ac.jp/ http://neuron.k.u-tokyo.ac.jp/

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須賀 唯知 教授 テーマ一覧
テーマ 1.常温接合のパワー半導体実装への適用 2.ナノ密着層接合の適用に関する研究
狙い  本研究室では、常温接合を中心に、半導体実装・集積化に関する基盤研究を行っています。常温接合は、材料表面をイオンビーム照射等により清浄化・活性化し、接触させるだけで接合を行う、という世界でも特異な独自の接合手法です。常温で接合ができることから、その応用が半導体実装やMEMSパッケージなどのさまざまな分野で検討されています。普通はくっつきそうもないものが、なぜか触るだけでついてしまうというのは、いつ見ても不思議であり、ちょっと感動モノです。本年度は、省エネや車載用として脚光を浴びているパワー半導体への適用を想定した常温接合の基礎研究を行います。 本研究室では、昨年度、常温接合の拡張として、ナノ密着層を介在させた新しい手法を提案し、世に送り出しました。本年度は、本手法のフィージビリティスタディのひとつとして、太陽電池や有機ELディスプレイなどの封止技術を想定したガラスや高分子フィルムの接合を試みます。封止接合はほとんどのデバイスの信頼性を決める重要な課題ですが、正面から取り組まれることの少ない分野です。そのためもあり、このテーマは社会や産業との接点を考える最適のテーマにもなっています。海外大学との共同研究も開始されており、前項のテーマとともに、海外(米国)でのインターンシップもあります。
内容  本年度の卒業論文では、炭化ケイ素や炭素材料などの新しい材料を対象に接合材料の違いがどのような影響を及ぼすのかを基礎に戻って検証します。特に、接合界面の強度および電気的特性におよぼす接合条件の影響を詳細に調べます。 ナノ密着層を適用したガラスおよび高分子フィルムの接合を行い、界面での接合現象を高分解能電子顕微鏡などの手法を用いて解析します。
場所(予定) 本郷キャンパス工学部14号館地階クリーンルーム 本郷キャンパス武田先端知ビル・スーパークリーンルーム
計画 4〜5月:常温接合の実験手法並びに理論の修得 4〜5月:ナノ密着層の実験手法並びに理論の修得
6〜7月:接合強度評価のシミュレーション 6〜7月:透過電子顕微鏡の試料作成および評価
9月〜12月:問題点の抽出と表面状態の解析・分析、再実験 12月:学会申し込み 9月〜12月:再実験、評価 12月:学会申し込み
1月〜2月:評価.とりまとめ. 3月:学会発表 1月〜2月:評価.とりまとめ. 3月:学会発表
WEB 関連研究の概要 関連研究の概要
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鈴木 宏正 教授 テーマ一覧
テーマ 1.新素材部品開発のための3次元織物デザインに関する研究 2.新素材部品開発のためのポーラスメタルの形状評価に関する研究
狙い 環境対応製品の開発は企業にとって最も重要な課題になっています。その中でも、複合材料などの新素材を用いて、軽量化・効率化を実現することがカギとなっています。新素材自体を開発することはもちろん重要ですが、それを部品として実現するためには、設計技術、加工技術、検査技術なども含めて開発することが必要であり、それらは従来部品と大きく異なる課題を持っています。本研究では、新素材として、航空機エンジンなどへの適用が期待されているCMC(Ceramic Material Composite)のような繊維で作られる部品の設計方法について研究を行う。特に、量産に向く Filament Winding という、テープ状の素材を巻きつけて形状を構成する方法に関する基礎的な研究を行います。 テーマ1と同様に、これも新素材ポーラスメタルを扱います。ポーラスメタルのポーラス(polus)というのは多孔質という意味で、内部に多数の気孔が空いている素材です。そのため、軽量にでき、また潰れるときのエネルギー吸収も大きいなどの優れた特性をもち、例えば自動車の車体などへの応用が期待されています。一般の金属材料は金属のカタマリですが、ポーラスメタルの性能は、内部の気孔がどのような構造をしているかによって決まります。そのため、開発において、どのくらいの大きさの気孔が、どのように繋がり、どのように分布しているかなどを評価する必要があります。本研究では、ポーラスメタルの内部構造をX線CT装置によってスキャンし、そのデータからこのような評価を行う手法を開発します。
内容 本研究で狙っているものは、3次元織物とでもいうべきもので、繊維を3次元上に”織り上げて”、部品形状を作ろうとするものです。その一つの方法に、紐あるいはテープ状の繊維束を巻きつけていくFilament Winding という方法があり、FRPなどでは実用化されています。しかし、現状では円柱や円錐などのような単純形状に限定されているので、本研究ではそれをより一般化し、テープ状のものを巻きつけて、自由に3次元形状を作るためモデリング理論について研究したいと思っています。
この課題は全くの新規のものですので、まずは3次元モデリングに関して勉強を進めつつ、課題を整理し、設定します。そして解決策の考案と計算機実験を行います。また、研究の過程で、曲線・曲面理論や離散幾何学の知識とC++プログラミングスキルが身に付きます。なお、このプロジェクトは大竹研究室と連携して行います。
ポーラスメタルの材料としての評価を行うためには、内部にある気孔の複雑形状を定量的に表現することを目標とします。例えば、気孔は大きな球状の部分が細いパイプ状のものでつながっている、というモデルを設定し、球の半径の平均や分散、パイプの径や長さの平均や分散などを計算することが考えられます。そのためには、CTで計測した内部形状の3次元画像データから、この球状の部分とパイプの部分を抽出できればよいことになります。
本研究では、このような計算を行うための3次元画像処理のアルゴリズムを開発します。特に、本研究室で開発した3次元画像データ処理手法を活用する予定です。その基礎は,画像処理分野や計算幾何学などの分野であり,それらに関して勉強を進めつつ、解決策の考案と計算機実験を行います。また、研究の過程で、画像処理や離散幾何学の知識とC++プログラミングスキルが身に付きます。なお、このプロジェクトは大竹研究室と連携して行います。
場所(予定) 駒場第2キャンパス 先端研4号館3階303号室.なお本郷14号館9階にも研究室があります. 駒場第2キャンパス 先端研4号館3階303号室.なお本郷14号館9階にも研究室があります.
計画 4〜5月:形状モデリングとプログラミングの学習 4〜5月:3次元画像処理とプログラミングの学習
6〜7月:先行研究調査およびプロトタイプによる検証.初期プレゼンテーション。 6〜7月:先行研究調査およびプロトタイプによる検証.初期プレゼンテーション。
9月〜12月:アルゴリズムの開発・実験および評価.中間プレゼンテーション。 9月〜12月:アルゴリズムの開発・実験および評価.中間プレゼンテーション。
1月〜2月:実データによる実験.論文執筆.最終プレゼンテーション。 1月〜2月:実データによる実験.論文執筆.最終プレゼンテーション。
WEB http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/ http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/
http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/~suzuki/research/bthesis/btheses2012.pdf http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/~suzuki/research/bthesis/btheses2012.pdf

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高橋 哲 准教授 テーマ一覧
テーマ 1.局在光エネルギー制御による超精密計測技術の開発 2.エバネッセント局在エネルギーによるマイクロマシニングに関する研究
狙い 光は,リモートセンシング性,非破壊性等の計測媒体として優れた特性を有していますが,光源波長に依存する回折限界のため,ナノメートルオーダで計測対象の情報を取得することは困難です.本研究では,従来の自由空間伝搬光に留まらず,近接場光,エバネッセント光,局在プラズモン共鳴といった回折限界に支配されない局在光エネルギーを積極的に適用した新しい光学的超精密計測技術の開発を目指します. マイクロ光造型法は,光エネルギーの柔軟な制御性を利用した三次元マイクロ構造創製技術として,注目を集めています.本研究では,一般的な光(自由空間伝搬光)とは異なった特殊な局在性を有するエバネッセント光を利用した新しいマイクロ光造型法の開発を行います.露光エネルギーとして,エバネッセント光を適用することで,従来法では不可能だった100nm形状分解能でのマイクロ三次元構造創製技術の確立を目指します.
内容 次世代の半導体プロセスへ導入が期待されているナノインプリントプロセスの超微細膜厚計測法の確立を目指します.具体的には,ナノメートルスケールの曲率半径を有する微細な金属プローブ先端において局在プラズモン共鳴を生成し,その局在光エネルギー分布を用いて対象膜厚の計測を行います.計算機シミュレータと基礎実験の両面から,膜厚測定法の確立を目指します. 光硬化性樹脂硬化に影響を及ぼす溶存酸素も考慮したFDTDシミュレータの開発を進め,局在化された露光エネルギーと硬化形状の関係を理論的に解析します.FDTDシミュレーターによる理論解析をベースに基礎実験を行い,新しい知見の創出を進め,新規機能性マイクロ構造創製の可能性について検討します.
場所(予定) 本郷キャンパス工学部14号館11F1122号室(予定) 本郷キャンパス工学部14号館地下1F 005恒温室(予定)
計画 4〜7月:基礎光学ゼミ・先端光学ゼミによる,研究遂行上必要な基礎光学知識・関連最新光学知識の習得 4〜7月:基礎光学ゼミ・先端光学ゼミによる,研究遂行上必要な基礎光学知識・関連最新光学知識の習得
7〜8月:FDTD電磁場解析シミュレータによる基礎的解析 7〜8月:FDTD電磁場解析シミュレータによる基礎的解析
9月〜12月:実験装置の設計,構築 9月〜12月:実験装置の改良設計・構築
1月〜2月:実験,評価.とりまとめ. 1月〜2月:実験,評価.とりまとめ.
WEB 関連研究の概要 関連研究の概要
http://www.nanolab.t.u-tokyo.ac.jp/research.html http://www.nanolab.t.u-tokyo.ac.jp/research.html

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高増 潔 教授 テーマ一覧
テーマ 1.大型非球面形状の測定方法の研究 2.高精度三次元測定機の校正方法の研究
狙い  天体望遠鏡,半導体製造装置などに利用される,大型非球面ミラーおよびレンズの形状を,高精度(ナノメートル)で測定する新しい手法の開発を行います.この手法により,高精度なミラーおよびレンズの開発を支援し,半導体製造装置や天体望遠鏡などの性能が大きく向上することを目指します.  ナノメートルの精度を持つ三次元測定機(Coordinate Measuring Machine)の開発を行っています.高精度で自由度の高い測定機を開発するためには,測定機の精度を評価し,誤差を補正および校正する方法の開発が必要です.この研究では,高精度三次元測定機のテーブルおよびセンシングシステムの誤差評価および校正を行います.
内容  まず,新しい手法の理論的な提案およびシミュレーションによる誤差評価を行います.つぎに,ナノメートル精度の光計測手法と高精度三次元テーブルを利用した実験装置の改良および予備実験を行います.最終的に,大型非球面形状を測定するための装置の基本的な設計仕様を決定するための,基礎的な検討を行います.  まず,高精度三次元測定機のシステムの理解を行い,精度評価の予備実験を行います.つぎに,新しいレーザ測定機を用いたナノメートル精度の光計測手法により,三次元測定機の誤差評価を行う理論およびシステムの開発を行います.最終的に,三次元測定機の新しい校正方法の確立を目指します.
場所(予定) 本郷キャンパス工学部14号館9F933号室(予定) 本郷キャンパス工学部14号館9F933号室(予定)
計画 4〜5月:理論的な測定方法およびシミュレーションプログラムの開発 4〜5月:測定システムの理解,予備実験
6〜7月:測定システムの改良,予備実験 6〜7月:誤差評価理論およびシステムの開発 
9月〜12月:測定実験と誤差評価 9月〜12月:測定実験と誤差評価
1月〜2月:実験.評価.とりまとめ.  1月〜2月:実験.評価.とりまとめ.
WEB 研究室ホームページ:  http://www.nanolab.t.u-tokyo.ac.jp/ 研究室ホームページ: http://www.nanolab.t.u-tokyo.ac.jp/

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鳥居 徹 教授 テーマ一覧
テーマ 1.デジタルサイネージデバイスに関する研究 2.デジタルフルイディクスによるLab on a Chipデバイスの研究
狙い アンビエント社会を支える基盤技術として,デジタルサイネージ(電子看板)や電子書籍があります.とくに,電子ペーパーを用いたデバイスは,電気消費量が少ないため低炭素社会を実現するためのグリーンデバイスとして注目をあびています.本研究では,ツイストボール型の電子表示デバイスの開発を行います.ツイストボールとは半球が正に帯電,半球が負に帯電,かつ色が逆(白と黒など)の微粒子のことで,電圧を印加することでボールを回転させて,電子ペーパーと呼ばれる表示装置に応用されています.本研究では,微小流路を用いたツイストボール生成法により,従来より微小な粒子生成法を開発し,高解像度な表示装置の実現を目指します. 化学とくに生化学反応を行う微小なデバイスをLab on a ChipとかマイクロTASとよびます.最近のLab on a Chipの研究では液滴を用いた研究が盛んになってきており、さまざまな応用が行われています.本研究室では、早くからこの分野の研究に取り組み数々の成果を出してきました.しかし、まだ分注装置から検出までのトータルのデバイス化は行われていません.そのため、オンデマンド分注装置の研究に重点をおきデジタルフルイディクスの研究を推し進めます液滴内の流れをPIV解析により可視化を試みることも行う予定です.
内容 表示性能評価は、微粒子の持つ帯電量の評価をはじめとして解決する必要な項目が多くあります.これをひとつひとつ解決して実用化に結びつけることをねらいとしています.研究指導には教員1名+大学院生1名があたります. デジタルフルイディクスとは、流体を液滴化して搬送、合体、分離を行う方式のことを指します.本研究では、とくにオンデマンドで決まった量を分注する装置の研究を重点的に行っていく予定です.これは、微少流路における液滴生成を応用する装置になる予定です.研究指導には教員1名+大学院生1名があたります.
場所(予定) 柏キャンパス環境棟3F354号室(予定) 柏キャンパス環境棟3F354号室(予定)
計画 4〜5月:これまで行われてきた微小液滴生成に関連する研究の調査、理解  4〜5月:これまで行われてきたLab on a Chipデバイスに関連する研究の調査、理解 
5〜7月:微小流路による予備実験  5〜7月:DSPによる信号出力の実習.既存の電極を用いた予備実験 
9月〜10月:予備実験をふまえた装置作成ならびに中間発表に向けてデータ取得、とりまとめ  9月〜10月:予備実験をふまえた装置作成ならびに中間発表に向けてデータ取得、とりまとめ 
10月〜12月:装置の改善、データ取得、評価  10月〜12月:装置の改善、データ取得、評価 
1月〜2月:最終的なとりまとめ  1月〜2月:最終的なとりまとめ 
WEB 電子ペ―パー表示剤としての2色微粒子の生成 デジタルフルイディクスに関する研究
http://www.dt.k.u-tokyo.ac.jp/research/e_paper.shtml http://www.dt.k.u-tokyo.ac.jp/research/lab_chip.shtml
マイクロチャンネルの分岐構造を利用した液滴生成
http://www.dt.k.u-tokyo.ac.jp/research/droplet_formation.shtml http://www.dt.k.u-tokyo.ac.jp/research/digital_fluidics.shtml

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原 辰徳 講師 テーマ一覧
テーマ 1.製品利用と顧客行動データを元にした製品サービスシステムの設計支援に関する研究 2.顧客参加度合いが高い設計生産方式を持つ観光サービスの構成支援に関する研究
狙い  これからのものづくりでは、製品にサービスを載せて提供することが求められます。特に近年では、センサ技術と情報技術の発達により、製品の稼働状況と利用履歴、および顧客(製品使用者)の行動データの大規模な収集が可能となりました。建設機械、複合機、空調設備の遠隔保守サービスなどは、こうしたデータを活かした典型的な現場サービスです。本テーマでは、それらを更に発展させ、顧客モデルの再構築と、製品サービスシステムの再設計にまでつなげるための基礎的研究を行います。  これまで一般の人々は消費者(コンシューマ)と呼ばれてきましたが、情報技術の発達により双方向コミュニケーションが容易となったことで、多様な価値を生み出す共同生産者(プロシューマ)としての新たな役割を期待されるようになりました。例えば観光サービスでは、旅行者の行動がその生産活動の中核を担うとともに、例えば個人旅行者は自身で観光プランの設計をも行います。本テーマでは、このように顧客参加度合いが高い設計生産方式を持つ観光サービスに対し、パッケージツアーの構成とそのカスタマイズ方法の基礎的研究を行います。
内容  製造業製品を介したサービスを主な題材とし、問題設定、文献調査、事例分析とモデル化、解析アルゴリズムの実装、評価という構成により研究を進めます。このテーマの実現により、工業製品のモジュラー設計/系列設計/プラットフォーム設計の方法、サービスに関する工学的知識、プログラミング技術、および問題解決思考の習得を目指します。
指導には教員1名があたります。新しいことに挑戦したい人をお待ちしています。
 観光サービスを題材とし、問題設定、文献調査、既存データの解析、解析アルゴリズムの実装、評価という構成により研究を進めます。このテーマの実現により、工業製品の系列設計の方法、サービスに関する工学的知識、プログラミング技術、および問題解決思考の習得を目指します。
 指導には教員1名があたり、東京大学 工学系研究科 青山研究室、株式会社ジェイティービーとの共同研究を含みます。新しいことに挑戦したい人をお待ちしています。
場所(予定) 柏キャンパス総合研究棟5階 柏キャンパス総合研究棟5階
計画 4月〜5月: 問題設定、工業製品の設計方法の習得、サービスに関する一般知識の習得 4月〜5月: 問題設定、工業製品の設計方法の習得、サービスに関する一般知識の習得
6月〜7月: 製品サービスシステム(PSS)の事例分析、およびモデル化 6月〜7月: 観光サービスにおける個人旅行者の設計・行動データの解析
9月〜12月: 製品サービスシステムの構造解析アルゴリズムの提案、ソフトウェアの実装 9月〜12月: パッケージツアーとそのカスタマイゼーションに関する解析アルゴリズムの提案、ソフトウェアの実装
12月〜2月: 評価ととりまとめ 12月〜2月: 評価ととりまとめ
WEB http://www.race.u-tokyo.ac.jp/~hara_tatsu/ http://www.race.u-tokyo.ac.jp/~hara_tatsu/

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樋口 俊郎 教授 テーマ一覧
テーマ 1.電磁気現象を利用したマイクロマニピュレーション 2.超磁歪材料や形状記憶合金を利用したマイクロアクチュエータの開発
狙い  樋口研究室では,メカトロニクスに関する基礎から応用にわたる広範な研究を行っています.各種アクチュエータ・センサの開発や,超精密加工技術など,メカトロニクス要素技術に関する研究を行うとともに,それらを応用したバイオメカトロニクスシステムの開発等の研究課題に取り組んでいます.本研究室の卒論研究では,研究者や技術者として活躍するために必要な基礎的な知識と研究・開発を推進できる総合的な能力を習得し高めることを目的として実施します.  樋口研究室では,メカトロニクスに関する基礎から応用にわたる広範な研究を行っています.特にアクチュエータに関しては,新原理アクチュエータ研究の世界の拠点のひとつとなっています.新しく開発された機能材料の性質を活用し,精密機器や情報機器に実際に使われるアクチュエータの開発をめざすプロジェクトに参画し,高度な研究開発を体験できます.研究者や技術者として活躍するために必要な基礎的な知識と研究・開発を推進できる総合的な能力を習得し高めることを目的として実施します.
内容  電界,磁界,振動,レーザなどを利用して,粉体,微小液滴,細胞,DNA等の搬送,位置決め,分離,選別等の革新的なマニピュレーション技術を開発する.本年度は,電界を利用することにより真空微小空間で粉体の高速往復動を電極間に得ることにより,熱伝導率を大きく変化できる素子を開発する. この他に,燃料電池で要求されているマイクロポンプの開発に取り組むこともできる.  超磁歪材料は磁界を加えると大きな歪を発生する材料であり,硬くて脆いものとされていたが,最近,切削加工が可能な画期的な超磁歪材料が開発された.当研究室が有する超精密機械加工技術を活用することにより,3次元形状精密マイクロ部品を作成し,超磁歪材料を利用した革新的なマイクロアクチュエータを開発する.また,形状記憶合金の細線に瞬間電流を流すことによって得られる急速変形や衝撃力を利用した携帯電話用マイクロ振動デバイスを開発する.
場所(予定) 本郷キャンパス工学部14号館6F630号室 本郷キャンパス工学部14号館6F630号室
計画 4〜6月:関連研究の調査,既存実験装置と測定器の操作法の習得 4〜6月:関連研究の調査,測定器の操作法の習得,超精密加工機の利用技術の習得
7〜9月:予備実験,新しいデバイスの構想と設計 7〜9月:既存実験装置による予備実験,新しいマイクロアクチュエータの構想と設計・試作
9月〜11月:実験とデバイスの改良 9月〜11月:試作したアクチュエータの性能評価と改良
12月〜2月:実験,評価,総括,卒論発表, 学会発表準備 12月〜2月:実験,評価,総括,卒論発表,学会発表準備,特許出願
WEB http://www.aml.t.u-tokyo.ac.jp http://www.aml.t.u-tokyo.ac.jp

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日暮 栄治 准教授 テーマ一覧
テーマ 1.大気圧プラズマ活性化による光素子の低温接合と光マイクロセンサへの応用 2.ウェハボンディングによる異種材料接合界面の創成と高機能光システムへの応用
狙い 当研究室では,半導体レーザを内蔵した超小型光マイクロセンサに関する研究を行っている.通常,光計測装置は,レンズやミラーなどバルクの個別光学部品をアセンブリして作られた大型で高価なものであった.そのため,これまで小型メカトロニクス・ロボティクス分野への適用も限られてきた.本研究では,大気圧プラズマを用いた光素子の低コスト低温接合技術を開発して,集積型光マイクロシステム創成へ適用することに挑戦する.   近年,異種材料を集積した光通信デバイスなど,将来の高付加価値デバイスを目指した研究が進展している.本研究では、低温ウェハボンディング技術からのアプローチを試みる.本手法により,新しい機能の創成を行い,実現した接合界面機能の支配機構解明およびその制御を通じて,デバイス応用への設計指針を得ることを目標とする.
内容 大気圧プラズマを用いて,半導体レーザやフォトダイオードなどの光素子を,低温・低加重を両立した低ストレスおよび大気雰囲気で接合するための研究を中心に行う.残留応力のシュミレーション,接合界面・接合強度の評価,光素子の特性評価等から,光素子に適用可能な低温接合技術を確立する.また,本手法を用いて,新しい3次元光マイクロシステムを創成することを試みる. プラズマを利用した化合物半導体などのウェハボンディングを行い,接合界面の機械的・電気的特性を明らかにする.具体的には,接合界面に形成される構造が電気的特性にどのような影響を与えているのかを調べ,これらの接合界面の評価を,Siと比較しながら行うことで,学術としての体系化を行う.
場所(予定) 駒場先端研 駒場先端研および本郷キャンパス
計画 4〜5月:関連研究の文献調査と接合・実装の基礎に関する勉強会,使用装置の使用訓練 4〜5月:関連研究の文献調査と接合・実装の基礎に関する勉強会,使用装置の使用訓練
6〜9月:接合実験と評価. 6〜9月:接合実験と評価装置の構築.
10〜1月:光素子特性評価,学会投稿準備. 10〜1月:接合界面評価・分析,学会投稿準備.
2月:研究のまとめ,卒論発表練習.3月:学会発表. 2月:研究のまとめ,卒論発表練習.3月:学会発表.
WEB http://www1.su.rcast.u-tokyo.ac.jp/~eiji/ http://www1.su.rcast.u-tokyo.ac.jp/~eiji/

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保坂 寛 教授 テーマ一覧
テーマ 超低消費電力移動体センシングの研究 ジャイロ型発電機の研究
狙い スマートグリッドに代表される次世代エネルギーマネジメントでは,人,車両,産業機器などの稼働状態を推定し,必要電力を推定することが必要です.本研究では,人や車両の音,振動,周囲電波から稼働状態を判定し,それに合わせて位置センサなどを起動する超低消費電力移動体センサーを開発します. 人の歩行,旗のはためき,樹木の振動など,人間・人工物・自然物の運動を上手に用いると,環境中で無駄に放出されているエネルギを電力として回収出来ます.本研究ではこのような環境エネルギを用いる発電機を開発し,モバイル機器やセンサーネットワークに応用します.
内容 人や物流機器の稼働状態は振動などで検出出来ます.しかし個人ごと,機器ごとに振動特性が異なるため,どの振動がどの状態に対応するかは個別に決めねばなりません.本研究では,物流機器などの音,振動,周囲電界を長時間計測し,そのパターンから確率的に最も確かな稼働状態を自動推定し,移動時のみ位置センサを起動するシステムを製作します.振動計測とメカトロを基礎から学び,プログラムを作成し,マイコンに実装します. 振動は環境中のいたるところに存在しますが,一般に振幅が微小なため,実用的な電力を得るには,運動の拡大が必要です.ブランコ,縄跳び,魚のヒレの動きは同期振動または自励振動と呼ばれ,わずかな動きから高速な運動を生成する例です.同期振動にジャイロ効果を組み合わせ,人の日常の動きから数千rpmの高速回転を生成し,携帯電話に充電できる発電機を開発します.運動力学を基礎から最先端まで学び,それをもとに電気・機械系の最適制御を行います.
場所(予定) 柏キャンパス 柏キャンパス
計画 4-5月.振動,確率,統計の学習. 4月〜6月 機械力学および運動制御に関する専門書の学習.シミュレーション手法の習得
6-8月.マイコンによる計測制御回路の制作 7月〜10月 自励振動,同期振動のシミュレーション.マイコン,電子回路,機械工作法などの習得
9-12月.稼働状態推定アルゴリズムの開発 11月〜1月 発電機の製作,情報機器への応用
1-2月.超低消費電力位置探査システムの制作 2月 まとめ
WEB http://www.ems.k.u-tokyo.ac.jp/project/thesis.html http://www.ems.k.u-tokyo.ac.jp/project/thesis.html

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三村 秀和 准教授 テーマ一覧
テーマ 1. 放射光用回転体型X線集光ミラーの開発 2. SPring-8のビームラインにおけるX線集光光学系の設計とX線集光装置の開発
狙い 波長2nm〜4nmの領域は、「水の窓」と呼ばれ、この波長域の軟X線は、水には透過性があり生体を構成する炭素分子は透過しないため、この軟X線を用いると生体細胞などを生きたままナノメートルレベルの分解能で観察することが原理的に可能です。その性能を決定するのは軟X線を取り扱う光学素子であり、未だ、理想的な性能を持つ軟X線光学素子は存在しません。本研究の最終目標は、理想的な回転体型軟X線ミラーの作製とそれを用いた高分解能顕微イメージングシステムの構築です。本研究では、回転体型軟X線ミラーの開発を行います。 第3世代放射光施設SPring-8では、高輝度X線の利用が可能であり、最先端のX線分析が実施されています。先端材料、細胞、タンパク質なのX線分析は、医学、生物、創薬、半導体、ナノテクノロジーなど様々な分野において必要不可欠なものとされ、精力的にその性能向上のための研究がされています。その中でもX線集光システムは、X線の強度を増大させX線分析法の検出感度を上げ、また、X線ナノビームは分解能を大幅に向上させます。本研究では、高精度X線ミラーを用いたX線集光学システムの光学設計を行い、それを元にSPring-8のビームラインに導入する集光装置の開発を行います。
内容 回転体型軟X線ミラー作製において、加工プロセスおよび転写プロセスの開発を行いますが、本年は、ミラー形状転写プロセスを担当します。電気化学反応を利用した電鋳法と呼ばれる方法により、転写を行います。学問分野としては
・電気化学
・物理化学
・表面科学
となります。本学問分野の関連項目を勉強しながら研究を進めます。
回転体型ミラーを利用した集光光学シミュレータの開発と光学設計、集光装置の開発を行いますので、学問分野としては、
・光学 (光線追跡、波動光学)
・機械要素
・機械制御
となります。本学問分野の関連項目を勉強しながら研究を進めます。
場所(予定) 本郷キャンパス工学部14号館8F834室、(ミラー作製)、SPring-8(ミラー評価) 本郷キャンパス工学部14号館8F834室、(ミラー評価、集光装置作製)、SPring-8(集光システム評価)
計画 4〜5月:ミラー作製用転写装置立ち上げ 4〜5月:光学設計のための光線追跡、波動光学シミュレータ開発
6月〜7月:転写実験評価 6〜7月:シミュレータを用いた必要アライメント解析
8月〜12月:ミラー作製および評価 8月〜12月:集光システムの設計、開発、評価
1月〜2月:放射光学会発表、卒論まとめ   3月:精密工学会発表 1月〜2月:放射光学会発表、卒論まとめ   3月:精密工学会発表
http://www.edm.t.u-tokyo.ac.jp http://www.edm.t.u-tokyo.ac.jp
WEB X線ミラーに関するプレスリリース X線ミラーに関するプレスリリース
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2009/091123 http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2009/091123
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2008/080807 http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2008/080807

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森田 剛 准教授 テーマ一覧
テーマ 1.多重モード型強力超音波デバイス 2. セルフセンシング圧電アクチュエータの制御
狙い 医療用超音波治療デバイスや、超音波浮上、超音波加工など、様々な分野で強力超音波技術が用いられています。これらのデバイスでは、共振振動を応用した振動子が用いられ、振動変位は正弦波変位に制限されていました。しかし、超音波の効果は非線形現象に強く関連しており、正弦波のみの振動は不適切です。これに対して、我々が開発している振動子は、高次モードも同時に励振させることが可能で、台形波やノコギリ波などの様々な振動波形を実現することが可能です。本研究では、この振動子で非線形現象を有効的に応用することで、革新的ハイパワー超音波デバイスを目指します。 圧電アクチュエータは、小型でシンプルな形状をしており、実用型マイクロデバイスとして有望です。しかし、入力で電圧と圧電変位が比例していない(ヒステリシスを持つ)という問題があり、位置センサが必要となります。しかし、我々は圧電素子の誘電率変化が位置センサとして応用できることを見出し、セルフセンシング圧電アクチュエータ制御と名付けました。この技術は、小型カメラのレンズ駆動や、天体望遠鏡の画像補正機構に実用化されようとしており、その制御技術を確立することを目指します。
内容 有限要素法シミュレーションによって、よりハイパワー化できる振動系を検討し、設計します。その後、圧電振動子の電気特性・振動特性などの計測実験を経験することで、圧電振動やその等価回路に関する学習を行います。次に試作した振動子の特性評価を行い、十分な特性が得られれば、実際にデバイスとしての評価を行い高次モードの効果を検証します。デバイスとしては超音波浮上機構を想定しています。
指導には教員1名+大学院生1名があたります。 研究室内では教員を含めて先輩・後輩が自由に討論し合える環境です。
圧電材料がどのようなものであるかということを、強誘電体評価装置や圧電変位装置による実習で学習します。その後、研究室で開発したリアルタイム誘電率検波方法を理解してもらい、この手法を用いた位置決め制御について検討を行います。時間的余裕があれば、何故誘電率変化と圧電変位が比例するのかという、まだ未解決の問題に取り組みます。
指導には教員1名+大学院生1名があたります。 研究室内では教員を含めて先輩・後輩が自由に討論し合える環境です。
場所(予定) 柏キャンパス環境棟2F265号室 柏キャンパス環境棟2F265号室
計画 4〜5月:強力超音波の基礎に関する勉強会 / 研究方針の打ち合わせ 4〜6月:機能性材料の基礎に関する勉強会 / 研究方針の打ち合わせ
6〜7月:実験装置・測定装置の使い方の修得 6〜8月:実験装置・測定装置の使い方の修得
9月〜12月: 実験・得られた結果の検討 9月〜13月: 実験・得られた結果の検討
1月〜2月:実験.評価.とりまとめ. 1月〜3月:実験.評価.とりまとめ.
WEB http://www.ems.k.u-tokyo.ac.jp/H24_morita/ http://www.ems.k.u-tokyo.ac.jp/H24_morita/

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山下 淳 准教授 テーマ一覧
テーマ 1. カメラ・レーザセンサ搭載移動ロボットによる3次元環境センシング 2. 全天撮影ロボットを用いたオーロラ3次元計測
狙い 倒壊した建物や炭鉱など,直接人が足を踏み入れて状況を確認することが難しい危険な場所では,最初に移動ロボットを用いて状況確認を行うことが重要です.本研究では,カメラやレーザセンサを搭載した移動ロボットが移動しながら,ロボット周囲の3次元環境センシングを行う手法を構築することを目的とします.また,取得画像や3次元計測結果をヒューマンオペレータに提示することにより,直感的にロボットの遠隔操作ができるシステムの開発を行います.最終的には,開発したロボットシステムを用いて,実地フィールドで実機検証実験を行うことを目指します.
テーマ内容に興味を持たれた方,より詳細を知りたい方やメールや,お気軽に山下までメールでご連絡下さい.研究室見学も大歓迎です.
本研究の目的では,複数地点に設置した全天撮影ロボットを用いて,オーロラの全天3次元形状・位置を高精度に計測する手法を確立することを目指します.オーロラに関する物理量は古い統計が多く,最新の計測技術を使った,3次元形状・位置(高度)の系統的な時間空間変化の測定と,それに基づく分析が望まれています.これまでのオーロラステレオ観測,カメラ間の位置姿勢関係の同定精度が十分でなかったため,超高精度な3次元計測結果を得ることが困難でした.加えて,全天の広視野映像撮影の場合には,画像の歪みの影響で正確な計測が更に困難となります.そこで本研究では,上記の課題を解決し,超広視野・超高精度の3次元オーロラステレオ観測を実現することを目的とします.
テーマ内容に興味を持たれた方,より詳細を知りたい方やメールや,お気軽に山下までメールでご連絡下さい.研究室見学も大歓迎です.
内容 既存の移動ロボット,カメラ,レーザセンサを組み合わせて,周囲環境をセンシング可能なロボットシステムを構築します.ロボットが移動しながらセンシングを行うと,複数地点でのセンシングデータが得られます.そこで,得られたデータをつなぎ合わせて,広範囲の3次元地図を自動生成する手法を構築します.また,得られた画像データをより見やすくヒューマンオペレータに提示するための画像処理技術を開発します.これまでの研究成果を理解し,最新のロボット・画像処理・3次元センシング技術を応用し,更に内容を発展させることを目指します.
指導には,教員名と大学院生があたります.本研究は民間企業との共同研究に関する内容を含みます.ロボットの知能化に興味がある方,研究成果を学会等でアピールしたい人,研究成果を直接社会に還元したい人にお勧めのテーマです.
最新のロボット・画像処理・コンピュータビジョン技術を用いることで,以下の内容にチャレンジします.
(1) 極寒地であるアラスカでオーロラ映像の自動連続撮影が可能な高信頼全天撮影ロボットの開発
(2) 視野が広い半面で歪みが大きい魚眼カメラの内部パラメータ(レンズの歪み特性や焦点距離
など)および外部パラメータ(カメラの設置位置と設置姿勢)の高精度同定手法の構築
(3) 3次元立体視可能なオーロラのステレオ映像の自動生成手法の構築
(4) 3 台以上のカメラを利用したオーロラ高精度3次元ステレオ計測手法の構築
指導には,教員名と大学院生があたります.本研究は理学部教員との共同研究です.工学的な成果に加えて理学的な成果も求めたい方,研究成果を学会等でアピールしたい方,実際にオーロラを観測をしたい方にお勧めのテーマです.
場所(予定) 本郷工学部14号館826号室(手法の構築,基礎実験),倒壊家屋実地フィールド(実地実験) 本郷工学部14号館826号室(データ解析),科学技術館(オーロラ3D映像上映),米国アラスカ州(オーロラ撮影ロボット)
計画 4〜5月:問題設定,関連研究の調査・理解,センシング手法の理解 4〜5月:問題設定,関連研究の調査・理解,カメラの結像モデル・3次元計測の理解
6〜7月:手法の設計,ロボットシステムの実装と基礎実験 6〜7月:撮影ロボットの開発,画像処理アルゴリズムの実装と基礎実験
9月〜11月:プログラムの再実装,改良 9月〜11月:ステレオ計測手法の設計,画像処理プログラムの再実装,改良
12月〜2月:実験および評価,論文作成 12月〜2月:実験および評価,論文作成
WEB http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/yamalab http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/yamalab

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山本 晃生 准教授 テーマ一覧
テーマ 1.触力覚デバイスの開発と応用 2.静電力応用によるロボティクス&メカトロニクス
狙い  触覚・力覚(触力覚)への情報提示技術は,より直感的でリアルな情報伝達につながるものとして高い期待を集めています.これまでに様々な触力覚情報提示技術が研究されてきていますが,依然として多くの課題が残されています.本研究プロジェクトでは,人の触力覚特性の測定,新たな触力覚提示手法の提案,触力覚提示の応用研究などを通じて,新しい触力覚提示技術の実現をめざします.  当研究室では,静電気力のメカトロニクス・ロボティクス応用に関する研究を行っています.静電気力は通常は微弱な力であるため,これまでメカトロニクス・ロボティクス分野への適用はあまり研究されてきませんでした.しかし近年の研究により,静電気力の特性を活かすことで従来機構では実現できない新しい機構が実現できる可能性が示唆されています.本プロジェクトでは,これまでに開発されたアクチュエータや機構要素を活用して,新たなメカトロニクス・ロボティクスシステムを構築することをめざします.
内容  ビジョンシステムや力測定装置などを用いて,人の触力覚特性を工学的見地から明らかとし,その測定結果に基づき新しい提示技術あるいは提示デバイスを開発します.研究実施に当たって必要とされる知識・技術は,
・(触力覚に関わる)生理学の基礎
・画像処理
・力測定
・統計データ処理
・機構の設計製作と制御
などです.必要に応じて,これらの事項を学習しながら,研究を進めます.
 基本的には,これまで本研究室で研究を進めてきたアクチュエータや機構要素をベースとして研究を進めますが,研究の過程で新たなアイデアが生み出された場合には,新たなアクチュエータ等をゼロから実現することも可能です.研究実施に当たって必要とされる知識・技術は,
・静電気力に関する基礎・応用理論
・アクチュエータ等の性能計測・理論解析
・機構,電気回路の設計製作
・機械制御
などです.必要に応じて,これらの事項を学習しながら,研究を進めます.
場所(予定) 本郷キャンパス工学部14号館6F630号室 本郷キャンパス工学部14号館6F630号室
計画 4〜6月:関連研究の調査ならびに測定機器等の利用技術習得  4〜6月:関連研究の調査ならびに測定機器等の利用技術習得
7〜9月:ヒトの触力覚特性の測定・評価(含:測定システムの構築)  7〜9月:基礎解析,簡易プロトタイプの試作と性能評価
10月〜12月:評価結果に基づくデバイスの設計・製作  10月〜12月:基礎評価結果に基づく機構の設計・製作
1月〜2月:実験.評価.とりまとめ. 1月〜2月:実験.評価.とりまとめ.
WEB http://am.t.u-tokyo.ac.jp/ http://am.t.u-tokyo.ac.jp/

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